決して振り返ってはならない.前進しなさい,前進あるのみだ.
Doris Stokes. Voices.
ひとは,疲れたとき,寂しいとき,楽しかったあの頃に戻りたい,とふと思うことがあります. ある時,Dorisさんも,懐かしい思い出を胸に,子どもの頃住んでいた街を訪れます.しかし,住んでいた家やよく遊んだ場所に行ってみると,記憶の中にある風景は見当たりませんでした.引用は,落胆した彼女に聞こえた天国のお父さんからのメッセージです.
一番辛かった時期,私も楽しかった子供時代に戻りたい,と思ったことがありました.そして,ある夢をみました.私は駅のホームで駅員に,故郷のAへ行くにはこの電車でいいかと尋ねます.すると,担当の車掌はもういないのでそこへ行く電車は走っていない,という返事が返ってきて,あぁもう故郷へは帰れないのか,とがっかりしました.霊的真理に出会い,意識が変わりつつある時でした.
前進(たましいが成長する,という意味)する人生もあれば,後退する人生もあるといいます.人生の途上ではどちらなのかわかりませんが,少なくともある時点において,前進しているにも関わらず,知らなかった頃,楽しかった昔に戻りたいと思うことは,喜ぶべき成長に気づいていないか,受け入れていないことと同じかもしれません.
現実面で思うように前進できない時は,現状維持が最善かもしれません.でも,だからといって,それをいたずらに嘆く必要はありません.前進は必ずしも目に見える形で起こるとは限らないからです.思うように物事が進まなくても,意識下では大きな変化が起きている,ということがあります.