お金は悪ではありません。他の物同様,ただのモノにすぎません。素晴らしい方法で人のためになるように使うことができます。私たちは人間関係を通じて学ぶのであり,モノを通じてではありません。死んでから,あちら側に自分の所有物を持っていくことはできません。あの世は,物質世界ではなく,高い波動と意識の世界だからです。家,車,銀行口座,宝石類,肩書き,賞など,この世的な成功の証を持っていくことはできないのです。これらは,一時的なものに過ぎません。永遠に存在するもの,この世を去るとき持って行くものは,善なる心です。そして,それは一旦獲得すると,決して失われることはありません。
Brian Weiss and Amy Weiss (2012).
Miracles Happen: The Transformational Healing Power of Past Life Memories. p. 79.
素晴らしいキャリアを積み,大成功をおさめていても,不幸せを感じている人々は多いとワイス博士は述べています。そうしたケースでは,より善く,親切な人になるという本質的な価値観にフォーカスを合わせると,人生観が変わり始めるそうです。
この世に人間として生まれてくるのは,いわゆる「幸せ」になるためではありません。生まれたときよりも,少しでも成長して,より善い人間,より美しいたましいになるためです。と同時に,周りの人々のお役に立つことです。人の役に立つことが,自他の成長を促します。そのために必要なら,世間的な成功をおさめるかもしれないし,おさめないかもしれません。
例えば,オリンピックでメダリストになることは,ひとつの通過点に過ぎません。その通過点の先に,強く望んで生まれてきた真の目的があります。ノーベル賞を受賞することも,ビジネスで大成功をおさめて億万長者になることもまた同様です。どういうコースを辿るかは,人それぞれ。過去生から連綿と続く個々のたましいの歴史であり,個性です。