アントン・チェーホフ 「谷間」 『可愛い女・犬を連れた奥さん』 新潮文庫.p. 183.
チェーホフは結核のため44歳という若さでこの世を去っています。引用元の作品は,亡くなる5年前に発表されたもので,老人の台詞には,彼の人生観やまだ生きたいという思いを読み取ることができなくもありません。
人生は長いようで短く,短いようで長いかもしれません。そして,いいことばかりも悪いことばかりもない。この老人は人生に対して楽観的ですが,こうした「ある種の楽観」が,苦しいときこそ必要かもしれません。
その教会では,牧師さんの説教の後などに,合計3度お祈りをする機会がありました。が,不思議なことに,目を閉じて祈るたびに涙が溢れてきます。そして,きまって「キリスト教を棄てた私を,こうして皆さんで暖かく迎えてくださって,こんなに嬉しいことはない」という想いがこみ上げてくるのです。今...