12/06/2013

与える人生

   自分がこの地上に生まれてきたことの意味など自分のあずかり知らぬことで,だからその意味やら責任などと言われても,いささか困惑してしまうことにもなる.けれどもとにかくここに生きているし,生きているについては,素直にうけとめればずいぶんと愛情を受け,お世話になっている.
  だから幼き日は,ひたすらに泣いて乳をほしがり,ものをほしがり,それが与えられて満足していたけれど、もういつまでも,ほしいほしいの日々ばかりでは,それこそ人生の意味がなくなるということにもなる.自分としては自分なりに,他に何かを与えていくということのなかに,生きていくことの喜びを見いだしてもよいであろう.
  ほしがる人生から与える人生に.与える何ものもないといえばそれまでだが,こころ素直な人にはほほえみを、打ちひしがれた人にはいたわりを,そして胸ふるわす喜びの人には,素直な感動を.それだけでもいいのである.





雑誌『PHP』の裏表紙に載っていた文章で,かなり以前に見つけたものです.当時,妙に納得し,また感動する内容だったため保存してありました.

この文章に出会ってまもなく,聖書の言葉"It is more blessed to give than to receive."受けるよりは与えるほうが幸いである)を知りました.「たしかに世の中には,与えるより欲しがる人のほうが多いかもしれない」などと考えたことが思い出されます.


一見,相手に与えているようにみえて,実は相手から(承認や賞賛といった,広義の「愛」を)求めているということもあります。そういう雰囲気は必ず相手に伝わります。誉めたつもりなのに相手が素直に喜ばなかったとすれば,それは相手のニーズに応えられなかったか,もしくは,自分に何らかの「見返り」を期待する下心があった,ということかもしれません。

たとえ欲しいもの全てを手にできていなくても,自分に与えられている全てに対して感謝することの大切さとも通じるものがあり,非常にスピリチュアルな内容です.

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