贅沢をしようと思えば,際限はありません.私たちはもう,十分モノを得ました.多くのモノを持ちすぎて,その重さに耐えられなくなっているのが,現代という時代かもしれません.“心の平安”という,いま私たちに最も足りないものは,お金で買うことはできません.不要なものは捨て,最低限必要なものだけを持って生きる.その身軽さは,あなたを自由にしてくれるでしょう.人と競いあうことなく,自分の中にある幸せに目を向ける.この「怒り」の時代を生きぬくには,それしかありません.モノばかりを求め,形に縛られ,敷かれたレールの上を歩くことの虚しさにようやく気づき始めたのです.この不景気は,私たちが長い眠りから覚めるための大転換期なのかもしれません.夜明けは,もうすぐそこまで来ています.
江原啓之 『ニッポンを視る! 「怒り」の時代を生き抜く方法』 pp. 222-3.
「モノ」とは,持ち物や財産から肩書きに至るまで,目に見えるもの,客観的に測れるもの,ひいてはこの世にいる間だけしか役に立たないもの全てを指しています.
失って得るものは多い-逆説的ですが,真実です.
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