自然界の常として,より高いものがより低いものを無くそうとします.それは当然のことで,そうでなかったら進化というものが真実でなくなります.人間は低い段階から高い段階へ向けて成長しようとする進化性を持った存在です.進化するためには光明へ向けての絶え間ない葛藤がなければなりません.その場合の葛藤は成長のための必須の過程の一つであるわけです.
『シルバーバーチの霊訓 第三巻』 p. 182.
シルバーバーチは続けて,霊的無知から生ずる「不必要な」無駄や努力が地上には多すぎると述べています.
必要な葛藤は乗り越えてこそ,成長につながります.ですが,内面の葛藤は苦しいもの.そうした苦しさを避けるために,わが身を振り返らず他者を責めたり,批判したり,といった過ちを人はつい犯しがちです.その際,スピリチュアリズムの知識があると,それを都合よく解釈し,いわば「利用して」,うっかり批判の手段としてしまうことも,残念ながら少なくありません.未熟さゆえ,ですが,知りながら犯す罪は,真理に照らし合わせても,そうでない場合より重いことを思い出す必要があります.
自分の心の弱さに向き合う勇気,即ち,葛藤に耐える勇気が誰にとっても必要です.