5/18/2013

98 あなたがあなたの運命を築く

それに,次のことを忘れてはいけません。他のすべての人と同じように,あなたの人生も,あなたの個性をあなた自身で発達させるための手段だということです。あなたの代わりにそれをやってくれる人はいないということです。魂の成長は個人的な問題です。
 いかなる人間にもかならず試練と困難,すなわち人生の悩みが訪れます。いつも日向ばかりを歩いて蔭を知らないという人は一人もいません。その人生の難問がどの程度まであなたに影響を及ぼすかは,あなたの霊的進化の程度に掛かっています。ある人には何でもないことのように思えることが,あなたには大変な問題である場合があります。反対に,ある人には大変な問題に思えることが,あなたには些細なことに思えることもあります。各自が各自なりの運命を築いていくのです。

近藤千雄訳.『シルバーバーチの霊訓 第二巻』 潮文社.p. 71.



97 一時の勝敗

地上生活では勝者がいれば敗者がいるわけですが,霊性に目覚めた人間はそのいずれによっても惑わされてはなりません。やがてはその人間的尺度があなたの視野から消える時が来ます。その時は永遠の尺度で判断することができるようになるでしょう。

近藤千雄訳.『シルバーバーチの霊訓 第1巻』 潮文社.p. 82.





95 真理はひとりずつ

 真理というものは一人一人が納得することによって広がっていくものです。一度に大勢の者を目覚めさせる方法はありません。またそれは“知的探求”によって成就されるものでもありません。無私の行いと,訓え(おしえ)を語って聞かせることによって人の心を捉える―それしかありません。

近藤千雄訳.『シルバーバーチの霊訓 第二巻』 潮文社.p. 70.



選挙運動のように,拡声機で広めることはできないようです。



94 努力は不可欠

牧師 「地上の人間にとって完璧な生活を送ることは可能でしょうか。すべての人間を愛することは可能なのでしょうか」 これが二回目の論争の最初の質問だった。
「それは不可能なことです。が,そう努力することはできます。努力することそのことが性格の形成に役立つのです。怒ることもなく,辛く当たることもなく,腹を立てることもないようでは,もはや人間ではないことになります。人間は霊的に成長することを目的としてこの世に生まれてくるのです。成長また成長と,いつまでたっても成長の連続です。それはこちらへ来てからも同じです。」
近藤千雄訳.『シルバーバーチの霊訓 第五巻』 潮文社.pp. 190-191.


生きている間もこの世を去ってからも,成長の連続とあります。その意味で,誰もが成長を希求して止まない,永遠の旅人です。

58 葛藤は成長のプロセス

自然界の常として,より高いものがより低いものを無くそうとします.それは当然のことで,そうでなかったら進化というものが真実でなくなります.人間は低い段階から高い段階へ向けて成長しようとする進化性を持った存在です.進化するためには光明へ向けての絶え間ない葛藤がなければなりません.その場合の葛藤は成長のための必須の過程の一つであるわけです.

『シルバーバーチの霊訓 第三巻』 p. 182.



シルバーバーチは続けて,霊的無知から生ずる「不必要な」無駄や努力が地上には多すぎると述べています.

必要な葛藤は乗り越えてこそ,成長につながります.ですが,内面の葛藤は苦しいもの.そうした苦しさを避けるために,わが身を振り返らず他者を責めたり,批判したり,といった過ちを人はつい犯しがちです.その際,スピリチュアリズムの知識があると,それを都合よく解釈し,いわば「利用して」,うっかり批判の手段としてしまうことも,残念ながら少なくありません.未熟さゆえ,ですが,知りながら犯す罪は,真理に照らし合わせても,そうでない場合より重いことを思い出す必要があります.

自分の心の弱さに向き合う勇気,即ち,葛藤に耐える勇気が誰にとっても必要です.

93 理想を披瀝するしかない

 私たちとしては,あなた方人間に理想を披瀝するしかありません。言葉をいい加減に繕うことは許されません。あなたがもし魂の内部に完全な平静を保つことができれば,外部にも完全な平静が訪れます。物的世界には自分を傷つけるもの,自分に影響を及ぼすものは何一つ存在しないことを魂が悟れば,真実,この世に克服できない困難は何一つありません。かくして,訪れる一日一日が新しい幸せをもたらしてくれることになります。いかに優れた魂にとっても,そこまでは容易に至れるものではないでしょう。

近藤千雄訳. 『シルバーバーチの霊訓 第六巻』 潮文社.p. 144.



理想がなければ,努力も成長もありません。「人間とは所詮不完全なものさ」と言い切ってしまえばそれまでです。が,少なくとも,それはスピリチュアリズムを理解している者の態度としては,不適切と言うべきでしょう。

志を高く持ちたいものです。

5/17/2013

いのちの水

日照りが続けば

地が乾き,命は滅びる。

水はそれほど大切なもの。

ひとのたましいにも

水が欠かせない。

たましいの水,それは

神の愛・神の光。

目には見えなくとも

一人ひとりの中に流れている。

それがあるから生きられる。

それほどまでに大切なもの。

起こるままに

世の中の事が,君の望みどおりにゆくことを願ってはならぬ.むしろ,起こることは何事も起こるままに起これ,と願うがいい.そうすれば君は幸福になるだろう.



10年以上前にどこかから抜粋しておいた言葉で,出典は不明です.

自助努力はとても大切ですが,自分の考えや努力だけで,自分の思う方向に全てを解決しようとする「自力主義」は,あまり望ましいやり方ではありません.思いどおりの展開や結果が全て自分のためになる,つまり,自分のたましいの成長につながるわけではないからです.

自分にとって何がよくて何がよくないか,ということはなかなか見通せないもの.時にはより偉大な存在にすべてを「委ねて」みることも必要です.

なお,ここで言う「幸福」とは,心やもっと深い部分(たましい)の満足のことだと思います.必ずしも,現世的・物質的な恵みばかりとは限りません.



5/13/2013

ワンランクアップ

現代に生きる私たちは,ワンランク・アップに奔走してしまう基盤をいだいているといいました.他人より一歩でも先んじることができるかどうかばかりに心を砕いている-. ということは,私たちが味わう感情も,多くはそこにあることになります.他人より一段抜きん出ることが,充実感や喜びにつながり,一歩後れを取ることが,悔しさや苦しさにつながる-. その他人との比較の中で,初めて味わえるような喜びが,人間が知り得る最高の喜びなのでしょうか
 
他人との比較の中で流した悔し涙や悲嘆のため息が,人間が知り得る本当の悲しみなのでしょうか.
 他人との比較に一喜一憂しているなら,私たちはまだ,真の喜びや真の悲しみの感情をはっきりと知らないのです
 でも,それはまた,まだ知らない生き方が私たちに残されているということでもあります.私たちの内界は開発途上にあり,本当の感情を知った魂がこれからつくってゆく人生と世界に,余地が残されているということにほかなりません.
 
 


高橋佳子 『人生の絆 基盤編』 p. 52.


「ワンランク・アップに奔走してしまう基盤」 - 先進諸国に生きる現代人の多くに思い当たることがあるのではないでしょうか. 「誰かより」いい学校を出る,いい会社に勤める,いい人と結婚する,収入が多い,大きな家に住む,など挙げればきりがありません. でも,それで得られる満足感は底が知れています.


裕福な国

貧困や経済的な苦労は,霊的教訓を学ぶ助けとなる貧困は謙虚さを育てるための強力な道具なのだ.一方われわれは、みなさんがたの社会において物質的な富みを得ることがすなわち個人的な栄誉である,と考えられていることに失望を禁じえない.
 あなたがたのいうところの貧困,そして今わたしがその語を使った文脈が普遍的なものではないことをよく理解するべきである.先進諸国の貧者がより未開の社会に行ったとしたら,裕福と考えられるだろう.われわれが真の貧しさと考えているものは,魂の問題なのだ。真の貧困は裕福な国ほど多く,たとえ空前の物質的豊かさの中にあっても,貧しい人間は多い
  


ジュディ・ラドン,片桐すみ子訳. 『輪廻を超えて』 p. 122.



マザー・テレサが来日時,日本は物質的には豊かだが,こころの貧しい人が多い,と仰ったことが思い出されます.

2025年は大きな転換期

2025年7月5日(土)の早朝(夜明け前),フィリピン沖の海底火山が噴火して,周辺国と日本の太平洋沿岸に巨大津波(120mほど)が押し寄せ,国土の1/3から1/4 が津波に呑まれる,という予知情報があります。最初にこれが注目されたのは,下にも関連動画のリンクを貼っていますが,たつ...