9/05/2009

生まれ変わりを受け入れることの恩恵(3)

 4番目の恩恵として私が考えるものは,人生のさまざまな苦悩に対する忍耐が増し,また人間関係の苦しみに対する寛容さが増すことです.
 この地上に生きるかぎり,人生にはさまざまな苦しみや試練が生じます.その時に,これは前世のカルマが現れたものだ,誠実に対処してカルマを償うことにしよう,と考えられるなら,それらの苦しみや試練に対する姿勢はまったく違ったものになります.他人から思わぬ仕打ちを受けたとしても,それを受け入れる許容度が増すように思います.(中略)
 またそれは他人の苦しみに対する私たちのシンパシーの幅を広げるようにも働きます.これはかつてケイシーの長男であるヒュー・リン・ケイシーが述べていたことですが,彼は最初,人が輪廻転生とカルマの思想を受け入れるようになると,他人の苦悩の原因を何でもかんでもカルマに帰し,それは結局他人の苦しみに対する同情心が薄らぐことになると考えました.しかし彼自身が輪廻転生の意味をしっかりと内面化するようになると,むしろ人の苦しみや苦悩に対するシンパシーが深まり,苦しみを共有しようとする方向に心が動くことに気づいたといいます.輪廻転生を受け入れることは,人の愛を深める力があるのです.


光田秀 『眠れる予言者 エドガー・ケイシー』 pp. 313-14.




困難に遭遇した時,記憶に全くないという意味では,身に覚えはないが,もしかすると過去生で犯した間違いを償っているのかもしれない,と考えることができれば,前向きに対処しようという気にもなり,その結果「不必要な」苦しみが多少は軽減されるかもしれません。地上で経験する問題や苦しみの原因の全てが過去生にあるわけでは必ずしもありませんが。

基本的に,理屈で考えて説明がつくことについては,過去生は何かと気にする必要はあまりないでしょう。普通の論理的な思考で説明不可能な出来事や人間関係上のトラブルや,必要以上に感情的な反応をしてしまう時は,多くの場合,過去生が強く影響しています。また,「なぜかわからない」漠然とした不安感,恐怖感,思考パターン,癖,嗜好等についても,過去生にその原因ルーツを見つけることができます。(自分の過去生を知ることで,その過去生から引きずっている感情を解消できたり,深く納得することで,その過去生の負のエネルギーを浄化することができます。準備ができた人には,浄化とたましいの学びのために過去生の情報が明かされます。その必要がない場合,あるいは転生の真実が理解されていない場合などには情報は与えられません。) 

自らも相当の苦しみを経験してきた人であって,たましいは永遠であり,地上での再生を繰り返しながら進化・向上を続けるのだ,という真理を深く納得するようになると,異なる個性ではあっても,人はみなそれぞれの重荷を背負って旅する仲間なのだ,との思いを抱くことができるようになるようです。そういう意味で,人の苦しみに対して慈悲,慈愛の気持ちが湧くのかもしれません。しかし,そのために生まれ変わりや自分の具体的な過去生を知る必要があるかというと,必ずしもそうではなさそうです. 

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