9/09/2009

虚しさの意味

 今までがんばって生きてきたけれど,ふと人生が虚しくなってしまった.一度の挫折をきっかけに,積み重ねてきた努力までが虚しく感じられるようになってしまった.人生はしょせん虚しいもの―.
 このような心境でいるあなたは,虚しくなることの意味をとり違えています.「心が虚しい」と「人生が虚しい」を結びつけてはいけないのです.虚しくなったということ自体に,大事な意味があるのだとわかってください.
 心が虚しいのは,実は,あなたのたましいがさらなる充実を求めているというしるしです.本当の目的に向かいたいと願っているしるしです.あなたのたましいは,今の環境から学びとるべきことはすでに学び終えていて,次の課題に進みたいと望んでいるのです.
 
もしくは,今までしてきたことは,あなたのたましいにとって,なんらかの間違いや無理があったのかもしれません.たとえば物質的な価値をがむしゃらに求めてきたものの,それではたましいは満たされず,本当の目的とのずれが「虚しい」というかたちで表に出てきたのかもしれません
 人間は,自分自身のたましいに成長と喜びを与えてくれることをしている限りは,決して虚しくなったりしないものです.虚しさは「あなたがこれから進む道はそっちではありませんよ.もっと生き生きとした喜びを得られる道がほかにありますよ」と教えてくれているのです.
 (中略) たましいの視点では,人生において失うものはひとつもないのです.たとえ目の前からあなたの努力の成果が消えても,それまでに得た経験と感動は,誰にも盗まれない宝としてたましいに永遠に刻まれています.その積み重ねの上にこそ,あなたの未来を作っていけるのです.大切なのは,過去と現在に執着せずに,新しい未来に切り替えるべきときが来たら,上手に切り替えることです.
 虚しさに陥らないためには「生きることの真理」と「真善美」とともに生きることが大切です.いくら頭では虚しいと思っていても,あなたの本質であるたましいは,「生きることが虚しい」とは決して思っていません.新しい明日は,新しい経験と感動を,心待ちにしているのです.


江原啓之 『いのちが危ない』 pp. 141-3.



10年以上前までの我が人生を振り返ると,物質的な面では今よりもずっと満たされていて,周囲の人間関係も,量の面では今より遥かに充実していました.しかし,同時に,どこかでつねに満たされない寂しさも抱えていました.しかし,そのことをはっきりと自覚もしていなかった分,余計に悶々としていたのだと思います.

物質的な面も人間関係も,十余年で量的には格段に縮小しました.しかし,それと引き換えに得たものは,その両方が十分にあった当時には決して得られなかったほど貴重なものでした.そして,苦労を通じて得たもの(真理との出会い,様々な経験がもたらしたいくつかの小さな悟り,ならびに今生での目的の自覚)こそが,私が最も深いところから希求していたものなのだ,と納得するようになったのは,最近のことです.

人生のマイナスに思えることには,必ず大きなプラスが隠されています.そのプラスを見つけさえすればよいのです.そして,プラスを見つけたいと願って最善を尽くす時,必ず聖なる導きが与えられます.

前向きなたましいは,光の応援団を引き寄せずにはいません.

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