そのような捉え方や見方を先生は培っていって下さい.そうすると大分先生自身の意識が広範囲に及ぶようになり,柔軟にもなります.一つの自分の観点だけで一方的に見えるのではなくて,別の側からも見てみること.先生は子ども達一人一人の全体を平らに見ていってあげること.一人一人の子ども達には確かに問題点や課題,悪い癖,弱点,限界等があるのでしょう.しかしそればかりでなくて,その子の良さや優れたところ,可能性や独自性というのもあるものです.それらのそれぞれを認識し,評価し,尊重し,受け止め,全体を平らに正しく評定できることが教師に求められているのです.
将来的な使命としては,その子にしかできないことというのが待ち受けているのです.皆が各々,それに取り組み,そして他の人達の,その人にしかできないことも見据えて,お互いに心から尊び受入れ合い,協力できるところは協力し合って全体が成り立っていくのが将来的なビジョンです.その方向で先生も子ども達一人一人が本当に心から尊い,見込みがある,使命があって出てきている…ということで,表面の今の問題や課題だけで全体を結論付けて,良さまで損なうような事をしないことです.そして子ども達の親,あるいは子ども達を見ている大人の人達との交流も必要です.
浅野信 『リーディングが開く21世紀の扉』 pp. 104-5.
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